戻る
4カ国対抗INポルトガル詳細(2006年11月)


<一緒になった記者諸君、アルガルヴェ地方を海沿いに走る鉄道の駅で列車を待つ間>

第8回アジア選手権を優勝で飾った日本代表は、しばらく海外試合はなかったが、久しぶりにヨーロッパ遠征、それも大会に参加することになった。
相手はウクライナ、ポルトガル、中国で、日本を含めた4カ国のリーグ戦の大会であった。場所は、ポルトガルの南部、リソート地で有名はアルガルヴェ地方で、注目はご当地のポルトガル戦である。ウクライナとは昨年のアジア選手権壮行試合で戦っており、引き分けに終わったが実力はわかっている。中国は格下である。ポルトガルは、アジアでは優勝したとはいえ、世界ではどの程度通用するのか推し量る格好の相手といえる。
そして、結果としてはかなり宿題、課題をもらった大会となってしまった。まだまだ世界は遠い。

<メンバー>
監督はサッポ(順不同) GK 石渡 良太 府中AFC(東京)
GK 川原 永光 PREDATOR(千葉)
FP 藤井 健太 PREDATOR(千葉)
FP 前田 喜史 府中AFC(東京)
FP 金山 友紀 CASCAVEL(東京)
FP 小宮山 友祐 FIRE FOX(東京)
FP 小山 剛史 府中AFC(東京)
FP 高橋 健介 PREDATOR(千葉)
FP 神 敬治 SHARKS(東京)
FP 稲葉 洸太郎 FIRE FOX(東京)
FP 比嘉 ヒカルド(琉球FC)
FP 木暮 賢一郎 ナザレノ(スペイン)
FP 鈴村 拓也 バルガス(スペイン)
FP 小野 大輔 テルニ(イタリア)

<初日レポート>

4カ国対抗INアルガルヴェの初日、日本対ウクライナ戦は現地時間19時キックオフされた。アルガルヴェとは、ポルトガルというかイベリア半島の最先端で地中海側に面した全体の地方をいい、初日はスペインとの国境の町、ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオという街だった。(なお、3日間すべて会場は変わり、アルガルヴェ地方をおおげさだが転々とする)
地方全体がヨーロッパの避暑地、リゾートといった感じで、そんな街のちょっと奥に入った500席程度収容の普通の体育館で代表戦が行われるというスペイン、ポルトガルのフットサルの奥の深さを感じたものである。

<日本3−4ウクライナ>
日本の得点者;稲葉、小野、木暮

<前半>
先発は、鈴村、金山、藤井、木暮、GK石渡
お互い、様子見でスタートしたが、ウクライナのプレスがきつくタジタジとなる。そのせいか、パスミスやキーパーにプレスがかかり、パス出しに詰まる場面が多く見られた。1分、さっそくその咎めが来て、GK石渡にウクライナが詰めより接触プレー、結果は日本のファウルとなり、PKへ。これは石渡よく防いで事なきを得たが、最後までこのプレスに悩まされた日本であった。

そうはいっても、日本もカウンターで反撃、前半9分、自陣ゴール前でこぼれ玉を拾った稲葉がドリブルで抜け出し、右サイドを走る小野にパス、小野は一瞬、ボールをキープして、稲葉の上がりを待ち、センタリング、これを稲葉が滑り込んで押し込み、逆に日本が先制点を奪うこととなった。 さらに13分、これも自陣前ゴール右、比嘉のキックインは前にいる小野へのロングパス、これをうまくトラップした小野はキーパーと1対1になって、キーパー倒れこんだところをふわっと浮かした技ありシュートで2点目。

しかし、ここから悪夢の逆転劇が始まってしまった。2点ビハインドのウクライナはますますプレスを強め、2点目のわずか1分後、自陣ゴール左サイドボールキープした小野にウクライナ5番が突っかけ、小野、若干、余裕を見せ過ぎたか、これを奪われてしまう。ボールはゴール中央を走る11番に渡って、GK石渡も出ていたので無人のゴールにここぞと叩き込まれてしまった。

このパフォーマンスのせいではないだろうが、元気が良い11番が強引に右サイドをドりブル突破、日本はこれを2回ブロックに行くかことごとくかわされ、ゴール左スミの確度のないところがらのシュート、これもブロックできずにたちまち同点にされてしまった。
さらにその30秒くらい、ウクライナがボールキープするGK石渡に2人がプレス、苦しくなった石渡、これをロングキックでクリアするが、自陣ウクライナのDFがこれをヘディング、するとうまい具合にプレスした2人にリターンパスとなり、相手のトラップミスがそのままパスという不運もあってゴール、あっという間に2−3とされてしまったのだ。

<後半>
日本は前半の反省をいかし、逆に攻勢を強めるが流れはウクライナにあった。後半5分、ウクライナのコーナーキック、日本のDFの位置があまりよくなく、スペースをうまく使われて2本のパスで押しこまれてしまう。

これで2−4、あとがなくなった日本であったが、ここから開きなおったか日本の攻撃が始まった。後半残り6分、左サイドでボールを受けた木暮がポストの小野に当て、小野これをキープしながら、まわりこんで右サイドに走る木暮に落とす。木暮、これを左サイドスミに決める日本の得意パターンで1点差とした。

さらに、比嘉のパワープレーに入り、再三、惜しいシュートを放つも時すでに遅し、このままタイムアップとなってしまった。

こうして、4カ国対抗初戦のウクライナ戦は3−4で敗戦、明日は大一番ポルトガル戦を迎える。

課題は見えているので、修正して臨むことだろう。しかし、ポルトガルもこの戦いを見ていて、選手がさかんにレポートにメモを取っていた。これはチームとしての行動のように思え、参考になった。彼らも、十分、研究して臨むに違いない。

<2日目レポート>

1−11の完敗だった。11月16日(金)に行われた4カ国対抗INアルガルヴェの2日目、ポルトガル戦はタヴィラという街で行われた。ここは、昨日行われたヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオからローカル電車で30分ほど西へ行った所にある。


(写真は会場、試合の前になんとフィギアスケートの練習が行われていた・・ローラースケートで)

キックオフは21時、これに先立って行われたウクライナ対中国戦は10−0でウクライナが勝利した。その中国にポルトガルは15−0、となると日本対ポルトガルはなんとなく5、6点差で勝負、良ければ3、4点差くらいかなと思ったが甘かった。ちなみに最近の強い相手との対戦は今年の5月に行われたアジア大会の壮行試合、日本で行われたブラジル戦であるが、これが1−3、0−6で破れている。

<日本1−11>
日本の得点者:稲葉

「連動」、日本に欠けていてポルトガルにはある言葉、逆に「ミス」、これは日本にあってポルトガルにない言葉といっていいかも知れない。日本の先発は、鈴村、金山、藤井、木暮、そしてGKは川原。FPは昨日と同じメンバーだ。

ポルトガルのゴール左サイド10番のコーナーキックはすぐ近くにいる4番に渡し、4番は中央やや右の3番に戻し、3番はこれをダイレクトに4番にかえす、4番はこれまたダイレクトにヒールキックでキックインした10番に戻し、4番はゴール中央に走って撹乱する。10番、4番、3番が登場したわけだが、ここで2番が登場する。というか、2番をフリーにする状況を作られてしまったのだ。

10番はボールを若干キープ、すでにこのボール回しで鈴村と10番の間隔は少しあいてしまった。10番は間合いを図るようにして、鈴村の横を第4の登場人物、ゴール中央にいる2番にパス、2番はシュートはすぐ打たないで、あわてて駆け寄った金山をかわして、スペースが空いた金山の位置にフェイント、そして強シュート、たまらず先制点となってしまった。

要するに10→4→3→4→10→2とFP全員が「連動」しているのだ。

先制点後の30秒、今度はミスからの失点だ。ボールまわしから鈴村、右サイド木暮に渡って木暮がボールをキープ。しかし、2番がプレスをかけてきて、あっさりボールを奪われてしまう。1点目に動揺したか集中力を欠いていた。そして、2番とキーパーが1対1となるが、実はシュートは打たない。ゴール中央を走る10番にパスして、10番がゴール。

こうして、開始1分、連動とミスから2点献上してしまい、日本は完全に後手にまわってしまった。

悪夢はまだまだ続く。今度は3分、ゴール左サイド4番から中央3番にパス、3番は右サイド10番に振ると、4番と入れ替わって入った左サイド2番にパス、4番は実はこのときゴール中央に上がっており、鈴村の横に入り込んでいる。2番は中央10番に戻すが、この動きで10番の前にポッカリスペースが出来てしまう。10番、これを見逃さず、今度はいきなりパスまわしから中央ドリブル突破、となると日本は全員10番にかかってしまい、このとき、さきほどスルスルと上がっていた4番は左サイドにコースを空けるように移動、そして、10番はシュートを打つかのように見せて4番にパス、4番はなんなくゴールしてしまう。

ここでも、ポルトガルは全員の連動性で点をとっている。

次の4点目はさらに1分後、パスカットからの速攻で点をとられたが、プレスをかけて、ミスを誘い、ボールを奪うと今度は連動性でゴール、この繰り返しで、日本はなかなか打開策が見出せず失点を重ねていった。

日本の1点は、5分、先発組から代わった比嘉、稲葉、小野、小宮山のセットだった。この日の試合では一番ボールが回ってチャンスも作っていた。ゴール左サイド、反則でもらったFK、比嘉が左サイドぎりぎりに位置していてフリーの稲葉にパス、稲葉、これをダイレクトに放おり込み、結局、唯一の日本の得点となった。

この日の日本は、3つめのセットを前田、神、小山、高橋で組んでおり、この3セットを交互に使う作戦としたらしく、最後までこのセットを崩すことはなかった。皮肉なことに、ファーストセットが一番失点が多かった。

結局、前半は1−8、後半はポルトガルもメンバーを落としてきたが、日本は追加点を奪うことはできず、0−3、トータルで1−11で敗戦となった。

ブラジル戦以来の敗戦であるが、ブラジル戦は親善試合、しかもメンバーは2軍、本当の意味での世界の強豪相手との戦いは、世界選手権以来ということになる。その意味では、良い薬になったのではないだろうか。

世界と戦って行くには、「連動性」と「基本=ミスをしない」を痛感した試合であった。

それにしてもポルトガルは強い。

追記
さて、前半の3点にすべてにからんでいた10番であるが、スペインリーグ所属のアルナルドである。

(靴が橙色であり、そのドリブルが目立っていた。)

1点目は2番リカルジーニュに決定的なパスを出し、2点目はあっという間に中央に上がり自らゴール、3点目はスペースが空いたと見るやドリブル突破からアシストの大活躍を見せた。結局、この日は3点を取っていた。

<3日目レポート>

11月19日(日)に行われた4カ国対抗INアルガルヴェの最終日、中国戦はラウルという街で行われた。ここは、昨日行われたタビラからローカル電車で50分ほど西にある。これで、ほぼアルガルヴェ地方の半分の海岸線を順次、西に進んだことになる。
<日本3−2>
日本の得点者:藤井、木暮、高橋

<前半>
スペイン組の小野、鈴村がリーグのため帰国、比較的当地に近い所に住んでいる木暮は、リーグの試合をこなしてから再び戻って参戦となった。先発は、藤井、小山、金山、小宮山、GK石渡。

全体的なペースは日本にあり、前半から攻めるのだが、思うようにボールが回らない。逆に、速攻からボールのこぼれ方が不運な面もあったが、8分、先制されてしまう。

その後も日本がボールを支配するが、縦にボールが入らず、シュートまでなかなか持って行けない。引いて守られると、連動が少ないため、攻めが単調になってしまうのだ。

こうして、前半は0−1で終了。

<後半>
5分くらいに、右コーナーキックからチャンスを掴んだ中国、右サイドコーナーぎりぎりの角度からのミドルシュートが決まって2点目を奪う。

こうなると、日本はパワープレーに出て数的優位を作らねばならない。

比嘉のパワープレーでボールは完全に日本が支配、中国は防戦一方になるが引いて守られ手こずる。

ようやく8分にゴール左サイドからの藤井のミドルシュートが決まって1点返す。

さらに残り6分、中央、木暮が右の金山に流し、その折り返しをセンターから自らシュート、同点とする。

しかし、数的優位を作りながら、ここまでで2点、いかに引いて守る相手に4人、キーパーを入れたら5人が連動して点を取るかがますます重要な課題となった。

もはや引き分けかと思われた残り約30秒、木暮から右サイド金山にパス、金山がセンタリングしたところを左サイドの高橋が滑り込んで蹴りこみ逆転とする。

結局、このままタイムアップで、なんとか3−2で勝利、アジアNO1の面子を辛うじて保った試合だった。

次の試合は、ポルトガル対ウクライナ戦、ポルトガルが順当に競り勝ち、3−1で勝利した。

この結果、優勝ポルトガル、準優勝ウクライナ、3位日本、4位中国となった。