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第5回世界選手権(2004年11月、台北にて)


<すべてはこの日のために・・歴史的瞬間>

第1回アジア大会から数えると約5年半、すべてはこの日のためにあったといっても過言ではない世界選手権が始まった。代表を目指し果たせなかった選手達、直前で涙を飲んだ市原選手、これまで何度も会場に足を運んだがこの日は立ち会えなかったファンの人達、その他すべての関係者たちの気持ちを代表してがんばって欲しい日本代表!
<メンバー>
GK 川原 永光:田原FC
GK 定永 久男:FIRE FOX
FP 石渡 良太:SHARKS
FP 難波田 治:FIRE FOX
FP 前田 喜史:CASCAVEL
FP 藤井 健太:MAG
FP 鈴村 拓也: MAG
FP 小宮山 友祐:FIRE FOX
FP ヒカルド 比嘉:琉球FC
FP 金山 友紀:CASCAVEL
FP 木暮 賢一郎:FIRE FOX
FP 小野 大輔:FUTURO
FP 相根 澄:PREDATOR
FP 高橋 健介:PREDATOR
*壮行試合アルゼンチンと同じメンバーは11月17日、成田を出発、現地入りした。

第1試合パラグアイ戦:11月21日・林口会場
「パラグアイのヴィラルバ(選手名)は木暮を影の薄いものにした」、これは、FIFAのサイトに出た記事のタイトルである。このタイトルのとおり、大事な初戦、日本は4−5で落としてしまった。FIFAは、さらに日本のブルーと太鼓の応援とパラグアイの赤と黄色の応援を取り上げ、情熱的な雰囲気をかもし出したとと好意的であった。しかし、締めくくりは、「パラグアイの赤とイエローのポンポンが日本の太鼓をおとなしくさせた」とあった。非常に残念で悔しいが、気持ちを切り替えてイタリア戦で最善を尽くすしかない。
前半7分、川原のロングスローをゴール左で受けた木暮が、一旦打ったシュートはキーパーに止められるがこぼれたボールを再度押し込み先制点。一旦は同点にされるが、日本の鋭い攻撃に押され、残り6分、パラグアイは5ファウルを犯す。
4分にはついに第2PK、これを前田がきっちり決めて再び日本リード、さらに、残り3分、比嘉が右サイドを突破、得意の角度からミドルシュートを放つとキーパー反応できず、3−1とした。ここまではアルゼンチン戦の勢いのままであった。しかし、前半残り1分に、ファウルからのフリーキックをクイックプレーでやられ、2−3の1点差にされたのが痛かった。(リスタートの位置がずれていたようにも思えたが。。。)
先制しては追いつかれ、2点リードしては1点差に追いつかれる苦しさが徐々にプレッシャーになったのだろうか。後半に入ると完全にパラグアイのペース、アルゼンチン戦の時も似たような展開だったが、違いはあの時は練習、今度が本番である。パラグアイの攻めは集中していて、日本のスキをズバッと突いてくるスピードあるもののだった。もしかしたら、アルゼンチンよりはスピード、個人技とも上かも知れない。いくつかの決定的チャンスは外してくれる幸運も永続きはしなかった。ついに、後半11分に、押し込まれた中でピヴォに当てられ、振り向きシュートを決められ、再び同点とされる。それでも、まだ、勝つチャンスはあった。さんざん、パラグアイのエース、チラベルトとマッチアップしていた木暮が、そのチラベルトをかわし、得意の振り向きシュートで再びリードしたからだ。
しかし、決めた時間が早すぎたかも知れない。守りきるにはまだ7分近くあったのだ。それでも日本は必死に守る。残り4分、FIFAのニュースで木暮を影のうすいものにしたヴィラルバが、ゴール左サイドから決める。一瞬、マークがずれていた。そして、残り2分、今度は左サイドをスピードあるドリブルで突破したベラスケスが決める。
最後、難波田のパワープレーであきらめず点を取りに行ったが、これもアルゼンチン戦の時のように、残り17秒で1点というわけには行かなかった。世界選手権で1勝するということは、そんな簡単なことではないということか。。。。

第2試合イタリア戦:11月23日・林口会場
一昨日の敗戦が尾をひいていなければいいが。。。と不安を残してのスタートだったが、心配したとおり、前半2分、あっさり先制されてしまった。続く6分にも遠めからシュートを打たれ、早くも2点ビハインドとなる。2点とも比較的遠めからのシュートで、1点目が右サイドから藤井がかわされてのスピードのあるグランダーのシュート、2点目がゴール中央からコースが一瞬空いた隙をつかれてのゴール上スミに決められるという具合に、精度の高いスピードあるシュートによるものだった。 やはり、高い位置でボールをキープされると、遠目の早いシュートにやられてしまう。特別崩されたわけではないのだが、後半も同じような展開だった。
0−2で迎えた後半10分、さんざんボールをまわされ、一瞬右サイドの選手をフリーにしてしまう。それでも日本の感覚だと距離があり、ちょっとドリブルからシュートしそうな感じがするが、それだと恐らくDFが追いついてシュートブロックしてしまうのだろう。そのほんの1秒以下の時間が勝負の分かれ目、すばやく振り抜いた強シュート、川原が触ってはいたが、ゴールに突き刺さってしまった。
後半10分まで、0−2でなんとか凌いだ日本だが、この1点は大きかった。残り10分、ゴール中央から、これもルーズボールをミドルシュートされて、4点目、最後は、残り2分、速攻からのカウンターで崩されての5点目、こうしてイタリア戦は終了した。
実に4点は、ボールをキープされ、遠目からのシュートにやられた。恐らく、日本のマークが徹底していて、崩そうと思うとカウンター攻撃をくらう、それなら、遠目からのシュートと作戦が徹底していたのではないだろうか。これに対して、日本は少し遠めなので安心したか、疲れていたか、DFとの距離を開けてしまいシュートブロックが出来なかった。
注)FIFAのニュースによれば、日本の戦いぶりを見て、太ったキーパーのアンジェリーにではなく、12番の動きのいいアレクサンドラに変更したのと、ピヴォのバカロに頼らない作戦に出たらしい。また、キャプテンのザフィーロが木暮を徹底マークするなど、日本に対する作戦はしたたかだった。イタリア、ヌッコリーニ監督は、 「日本は敬意を表するチームと思っていたし、いまでも思っている」と述べている。
さて、日本の攻撃はというと、前述したような作戦からか、無理して攻めてこないので、金山を使った速攻の攻めが利かない。頼りの木暮、小野へのピヴォ当ても、すっかり締められてなかなか中にいいボールが出ない。出ても、すぐに潰される。川原からの速攻ロングボールも、引いて守ることが多いため、走り込むには距離が遠すぎた。むろん、全くチャンスがなかったわけではない。 前半4分の比嘉から木暮、木暮の落としを比嘉が走り込んでのシュートや残り1分弱、小野の振り向きシュート、そのあとのこぼれたボールのシュート、後半10分、FKからの小野のシュート、残り3分、小野の振り向きシュートなどである。しかし、何せシュート数が少なかった。イタリアのように遠めからシュートがもっとあっても良かったのではないか。

第3試合アメリカ戦:11月25日・台湾大学会場
この試合、何がなんでも勝たねばならない日本、序盤から積極的に前へ詰めて行った。アメリカは、フィジカルは強いが、もともとテクニックが南米、ヨーロッパほどあるわけではないので、プレスをかけられるとボールコントロールに破綻をきたす。日本はそこが付け目である。最初こそ、日本もボールコントロールが落ち着かず、攻め込まれるシーンもあったが、次第に日本のペースになってきた。イタリア戦の時よりは、木暮や小野へのタテパスも比較的通るし、シュートもあった。また、金山、前田などのミドルシュートなど、攻撃も多彩になった。
行けると思われた後半6分、木暮のシュートが逆にアダになった。アメリカのミスからのルーズボールを拾った木暮が単独ドリブル、キーパーと1対1になる。木暮、これを股抜きシュートを狙い、一瞬通ったかに見えたが、キーパーの長い手が伸び止められ、逆にカウンターを食らう。これは一旦、藤井が止めて、キープに入ったが、押し込まれ、最後は、ガスタフェロがキーパーと1対1となり、先制はアメリカとなってしまった。その後もどちらかというと日本のペースだったが、0−1で前半終了。
後半に入っても、日本のペース、小野をピヴォにして、木暮、金山をアラにしたり、相根、高橋の投入など、総力戦を繰り広げ、再三チャンスを作る。特に、高橋は初出場ながら、良くボールをキープし、攻撃のリズムを作っていた。ボールキープ率は後半は日本が上だったように思うが、FIFAのニュースによれば、途中で、パラグアイがアメリカに負けているニュースが入り、無理して攻めなくても良いことがわかっていたせいもあるようだ。
しかし、日本の再三のシュートもなかなか入らない。ついに、残り5分、比嘉のパワープレーに出た。ボールを回す日本、完全に守りに入ったアメリカ、時間は残り1分強まで来てしまったが、難波田が打ったシュートを木暮が胸トラップで押し込み、やっと同点にする。
しかし、いかんせん時間が足りなかった。残り1分も猛攻するも、このままタイムアップ、日本は、予選リーグ突破もさることながら、世界選手権初勝利を逃してしまった。
しかし、初の勝ち点1をゲットした。フル代表だって、はじめての世界選手権は、勝利できなかった。引き分けは大きな価値があるし、少なくとも日本を世界に印象付けたことは賞賛に値すると思う。

<日本の成績>
11月21日 対パラグアイ<4ー5>●木暮2、前田、比嘉
11月23日 対イタリア<0−5>●
11月25日 対アメリカ<1−1>△木暮

こうして、長くて短い日本の世界選手権は終った。最終結果は「結果」欄を見て欲しいがスペインが大会2連覇を果たした。日本が戦ったイタリアが2位、壮行試合で戦ったアルゼンチンが4位、日本とはブラジル留学などなじみの深いブラジルが3位、つい最近来日したカステジョンがいるスペインが優勝と、世界強豪とはいろいろな形で因縁が出来、いろいろな刺激を受けたここ最近だったように思う。この貴重な経験をどう生かすのか、また新たな宿題をもらった日本代表だと思うが、それはまずは皆選手個人の中にあるのだと思う。個人の精進に期待したい。